転職を決断した医師必見。医師転職のおすすめサイト紹介

医局に所属し、ただ粛々と辞令に従っていれば良かった時代は過ぎ去りました。
これからの医師には、自分が思い描く理想のキャリアを実現し、QOLを高めていくためにも、自身のキャリアデザインを突き詰めていく必要があります。
そのためには、自分が専門とする診療科を変更したり、ライフステージに合わせて転院することが重要です。

しかしこの記事では、旧態依然とした知人からの紹介を軸にした転職活動をお勧めするようなことはいたしません。
今回お勧めするのは医師専門の転職サイトです。私が転職サイトの利用をお勧めする理由は、2つあります。

1つ目の理由は幅広い求人を目にすることで、自分の市場価値を再確認できることです。
自分のキャリアプランを適切に組み立て、さらに飛躍していくためには、自分が身につけた技術にどの程度の価値があるのかを自覚しておく必要があります。

2つ目の理由は、転職エージェントサービスを利用できることです。
転職活動は、非常に多くの手間と膨大なエネルギーを必要とします。
しかし医師は常に多忙な職業ですので、日々の激務の合間に自分1人だけで転職活動をすることは大変効率が悪いです。
そうした問題を解決し、満足できる転職をするためには、転職サイトの利用は欠かせないものと言えます。

私が個人的に医師の皆さまに最もオススメしたいのは求人サイト「ドクタールート」ですが、この記事では業界で一般的に有名な3つの転職サイトをご紹介する予定です。
全て医師専門のサイトですので、今すぐ転職する予定のない方も、一度目を通されることをお勧めします。
全国の求人を見比べているだけで、今まで知ることすらなかった最新の医療動向をチェックすることができるからです。

「医師転職ドットコム」業界最大級の求人数を誇るおすすめサイト

画像引用元:https://www.dr-10.com/

最初にご紹介する「医師転職ドットコム」は、株式会社メディウェルが運営する、医師専門の求人サイトです。
掲載されている求人数は、2018年7月時点で19,146件あり、医師転職サイト中屈指の求人数を抱えています。
さらにサイト上には掲載されていない非公開求人もあり、全てを合わせると30,000件を超えているかもしれません。もちろん転職エージェントも利用可能です。

「エムスリーキャリア」医師の転職業界で圧倒的知名度

画像引用元:https://career.m3.com/

2番目にご紹介する「エムスリーキャリア」は、エムスリーキャリア株式会社が運営する医師専門の求人サイトです。
「医師転職ドットコム」と比較して、2018年7月時点では11,144件掲載と求人件数自体は少々控えめですが、医師転職業界では圧倒的な知名度を誇り、非公開となっている求人には、他のサイトではお目にかかれないプレミアムなものも多数存在しています。
当然転職エージェントも利用可能です。転職をお考えの医師の皆様方には、登録しておかれることをお勧めいたします。

「マイナビDOCTOR」大手マイナビが運営する医師転職サイト

画像引用元:https://doctor.mynavi.jp/

最後にご紹介するのは、「マイナビDOCTOR」です。運営会社は株式会社マイナビ。
一般の転職サイトも運営している企業ですので、テレビCMをご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
こちらのサイトを利用するメリットは、掲載されている求人の質が高い点にあります。
また運営会社のマイナビが、首都圏近郊の医療施設に強いパイプを持っているせいか、首都圏の求人が非常に多いです。何と掲載されている求人の7割が首都圏のものになります。

医師の未来に備えた地域選び―今後狙い目な医師の転職先とは?

未来の医療業界においても、変わらず活躍できる医師としてあり続けるためには、転職する際の地域選びが大変重要です。
この記事では、今後を見据えた医師にとって、狙い目となる転職先の地域をご紹介いたします。

今後医師が転職したい地域・都道府県とは

未来の医療の現場では、ウェアラブルデバイスやAIといった、様々なテクノロジーが導入されていることでしょう。
現在は先端テクノロジーと呼ばれているような物も、近い未来においては当たり前の医療機器となっていることは想像に難くありません。
将来を見据えた転職を考えているのであれば、それらの設備といち早く触れ合えるような環境を選択すべきです。

その点を踏まえた場合、有力な転職先は自ずと絞られてくるのではないでしょうか。
まず挙げられる第1候補は東京です。
東京は日本の首都であり、最新の技術や文化が初めに普及する地域と言えます。
試しに東京の病院に絞って転職先を探してみると、設備の整った待遇の良い大病院が多くみつかるでしょう。

第2候補は神奈川県です。
神奈川県には、ロボット産業特区として指定されている相模原市が存在しています。

「東京」―手術支援ロボットなど、最先端の医療を行う病院あり

最先端医療を行なっている病院の代表格と言えば、東京は新宿区に居を構える、東京医科大学病院は外せません。
東京医科大学病院では、未来の医療を見据え、手術支援ロボット「ダヴィンチサージカルシステム」の活用や、チーム医療への取り組みが盛んなことでも有名です。
現在東京医科大学病院では、呼吸器外科、消化器外科、頭頸部外科、泌尿器科、産科、婦人科、耳鼻咽喉科においてダヴィンチが運用されています。

ダヴィンチは、元々アメリカ軍により開発された、戦地で負傷した兵士の遠隔治療を目的とした装置で、患部の立体映像を確認しながら、遠隔操作で手術を行うシステムです。
最小限の傷口で手術を実施することができるので、回復が早いことが特徴と言えるでしょう。
ロボットを活用した手術は、未来の医療業界におけるスタンダードです。

「神奈川」―ロボット実用化促進補助金が出るなど、今後医療への転用の期待も高まる

神奈川県には「さがみロボット産業特区」があります。
ロボット実用化促進のための補助金の交付や、実証実験のための規制緩和が行われているなど、先進的な取り組みが行われていることで有名です。
全国的にも有名な成果としては、介護医療ロボットであるPALROの開発成功が挙げられます。

実際に民間の老人福祉施設に導入され、目覚しい成果を見せているようです。
現在は介護や災害対策用のロボットがその成果の中心ですが、日本初の先端医療テクノロジーに関わりたいなら、有力な転職先の候補地域としてピックアップしておくべきではないでしょうか。

医療AIが作る未来に備えた医師のスキル向上・転職について考える

テクノロジーの進歩は留まるところを知らず、医療におけるAIの存在感は日に日に高まりを見せています。最早AIの医療業界への参入を避けることは不可能です。
これは医療業界における、医師の仕事内容の変化が訪れることを意味しています。

旧態依然としたスキルセットのみでは、医師として通用しなくなる未来はもう目前まで迫っているのです。
そうした医療AIが作る未来の医療の現場において、より一層求められる医師になるために必要なスキルについて考察してみましょう。

総合的な診療スキルを持った医師の需要が増加する

まず前提として、医療AIは決して万能ではないということを覚えておいてください。
AIはディープラーニングにより学習した、膨大な過去の事例と、取得した患者のバイタルデータを比較することで診断を下したり、適切と思われる治療計画を立案することに長けています。
つまりAIは、学習したデータベースと符合しない症状に対しては、的確な判断を下すことはできないということです。

また、データさえ集めてしまえば、それらの弱点も克服できると豪語する技術者もいますが、どれだけ似通っていたとしても、全く同じ体を持つ人間など存在するわけがありません。
AIが完璧な診断を下すために必要なデータを集めきることは事実上不可能です。
そうしたAIでは対応できない部分に対する総合的な診断は、スキルを持った医師が担当しなければいけません。

またAIから複数の治療計画が提案された場合、どの計画を採用するのかといった部分に関しても、医師としての経験からくる判断力が物を言うでしょう。
またその治療計画を採用した理由を患者に的確に説明し、同意を得るためのコミュニケーション能力も必要不可欠です。これらをAIが代替えすることはできません。

そうしたスキルを身につけた医師になるためには、豊富な症例と出会い、1つの専門領域に囚われることなく、人体に対する幅広い知識と経験を身につけておく必要があるでしょう。
未来の医療の現場における理想の医師の姿とは、医療に対する総合的な知見を持ちながら、高いヒューマンスキルをも兼ね備えた人物ということになるのです。

自分に足りない点を補うために転職や転科は有効

幅広い知識を身につけるためには、多くの症例を持つ他の病院への転職や、転科が非常に効果的と言えるでしょう。
同じ職場で仕事をしているだけでは、身につけられる知識やスキルに偏りが生じてしまいます。
AIに任せるのではなく、AIの特性を理解し、上手く運用できる医師だけが未来の医療の現場で生き残るのではないでしょうか。

日本の少子高齢化の加速と今後求められる医療

現在の日本は、有史以来初めて人類が遭遇する問題に直面しています。
そう。日本国民の4人に1人が高齢者という、世界的に類を見ない超高齢社会の到来です。
2025年には全ての「団塊世代」が75歳以上の後期高齢者となり、実に国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という人口構成状況を迎えることとなります。

そうした超高齢社会における医療への需要は、今までとは全く違うものになることは間違いないでしょう。
そうした新時代に向けて、医療のあり方も変化していく必要があるのです。
この記事では、少子高齢化が進んだ社会において、どのような医療が必要とされるのかについて考えて見たいと思います。

少子高齢化に伴い高齢者を支える医療が求められる傾向

まず結論から申し上げると、少子高齢化が進むことにより、「治す医療」から「治し支える医療」にシフトすることは間違いありません。
これまでは病院単独で治療を行い、病院で看取ることが主流でした。
しかし指数関数的に増加する高齢者の全てを病院に収容し、看取ることなど不可能です。

厚生労働省が主導する、「地域完結型医療への移行」に関する提言を見れば、行政も現在の状況に危機感を抱いていることが読み取れます。
そして地域完結型医療の中核になるのは、在宅医療と予防医療に他なりません。

治療のみに重点が置かれない

平均寿命が延伸する社会では、老齢人口と生産年齢人口が逆転します。
その影響は非常に大きく、これまで通りの治す医療を続けていくためには財源が足りないのです。
これは国民皆保険制度の崩壊の始まりを意味します。

そうした厳しい状況の中で、医療を求める患者に適切なサービスを提供するためには、これまでとは全く違うライフスタイルを提案する必要がありました。
そこで登場したのが、在宅医療という新しいスタイルの医療です。平均寿命の延伸と比較し、健康寿命は大した伸びを見せておらず、満足に動くこともままならない方や、認知症の方は増加の一途を辿っています。

そうした方々の多くは、治療を行なっても改善する見込みが低く、今まで通りの治す医療を提供しても、患者のニーズとマッチしているとは言えないでしょう。
そうした患者への1つの回答が、住み慣れた自宅で穏やかに息を引き取ることができる在宅医療という選択肢ではないでしょうか。

予防医療の需要が増える可能性が高い

先ほども述べたました通り、平均寿命が延伸しても、健康寿命はさほど伸びていないのが日本の実情です。つまり寝たきりの高齢者が増加しているということに他なりません。
その結果、医療資源の枯渇と同様、介護人員も大きく不足しています。

そうした状況を打破し、健康寿命の延伸を図るために、予防医療が注目されているのです。
これまでの医療では処置すらされなかった未病の段階から適切な助言を与え、病気になること自体を予防する医療は少子高齢化社会に対する1つの解答となるでしょう。
しかし現時点では、日本の医療保険制度がカバーしていない分野であるため、予防や維持期に対する制度の対応は必要です。

今後医師はどうなる?テクノロジーと共に見る医師の未来

急速なテクノロジーの発達は、様々な職種の働き方を改革してきました。
その波は医療業界にも波及し、様々な機器の導入が進んでいます。
センサーの精度向上によるウェアラブルデバイスの発達や、取集したデータを使用し、ディープラーニングを経たAIによる診断補助。
クラウド技術や高速無線通信技術の進歩を生かした遠隔治療など、一昔前までSFの世界と断じられていたテクノロジーが、次々と実現しているのです。

医師が必要であることに変わりはない

医師の皆様の中には、こうした実情を知り、医師が不要になる未来は近い、とお嘆きの方も多いとお伺いしました。
しかしどれほどテクノロジーが発達したとしても、医師が不要になる時代が到来することはありません。
確かにこれまで医師が担当していた業務の一部は、ウェアラブルデバイスとAIが賄ってくれるようになるでしょう。

おそらく、画像やセンサーで取得した患者のバイタルデータを基にした診断や、予後予測、治療計画の立案といった業務は、AIが担当することになります。
実際にIBMが開発した「ワトソン」というAIに、血液腫瘍に関する2,000万件以上の研究論文と1,500万件の治療薬の特許情報を学習させたところ、わずか10分で遺伝子変異のある白血病の治療薬を確定したそうです。

同様の作業を医師が人力で行なった場合、通常2週間はかかる作業だと言います。これは東京大学医学研究所から発表された報告です。
これほどの性能を誇るAIであっても、その判断の基準となる学習データがなければ、何の診断も下すことはできません。
そしてそれらのデータは、医師の経験や知識から生まれるものであることは明白です。

AIなどのテクノロジー技術はあくまで補佐

このようにどれほどテクノロジーが発達しても、AI単体で治療を行うことは不可能と言って良いでしょう。
急速に発達する医療テクノロジーは、あくまで医師の判断を手助けするための補佐役にすぎません。
どれほどAIが正確な診断を下したとしても、AIの言う通りに治療を受ける患者はほとんどいないでしょう。

未来の医師は総合能力とコミュニケーションスキルが重要視される

AIの導入により、医師が不要になることはありませんが、医師の働き方は大きく変わることが予測されます。
まずこれまで膨大な時間を費やしてきた、単純な診断にかかる時間が大幅に短縮されます。
また医師個人が保有してきた大量の医療に関する知識やデータ、それらを基に行なってきた統計処理等も不要になるでしょう。それらはAIの仕事です。

未来における医師の仕事の中心は、診断や治療計画立案の先にある、患者とのコミュニケーションが主になります。
AIが弾き出す回答は、常に効率的ですが、患者の価値観やバックボーン、生活事情といった要素は考慮されません。
そうした人間的な判をが必要とする部分こそが、医師の仕事となるでしょう。
ある意味では、高度化しすぎた現代医療において置き去りにされている、患者に寄り添うという、医師の本来の仕事に立ち戻っていると言えるのかもしれません。

神奈川の介護医療にロボットが寄与―「さがみロボット産業特区」とは

少子高齢化が進む日本では、現在介護医療の現場が崩壊の危機に瀕しています。
今後爆発的に増加する需要に対し、それらに対応できるだけの医療資源や労働力を調達することは非常に困難です。
そうした現場を救う救世主として、ロボット技術の発達が期待されています。

そして、現在さがみロボット産業特区では、「いのちを守る」ための生活支援ロボットの実用化・普及に関する取り組みが進んでいるのです。
この記事では、日本が誇る先端技術が集結する相模における、ロボット産業の現在と介護医療へのアプローチについてご紹介いたします。

神奈川県の「さがみロボット産業特区」とは

画像引用元:http://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/

まず「さがみロボット産業特区」についてご説明いたしましょう。
現在特区の対象地域となっているのは、神奈川県下の12の市区町村です。
相模原市を中心に、平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・厚木市・大和市・伊勢原市・海老名市・座間市・綾瀬市・寒川町・愛川町が特区として指定されています。

特区内では、ロボットの開発・実証を促進するため、様々な取り組みが行われているのです。
規制緩和を国に働きかけることで、他の地域では行えないような実証実験の場を提供したり、開発支援として補助金の交付や、特区内での企業立地の支援として、不動産取得税の軽減や低金利融資といった支援制度が用意されています。
特区内で研究・開発されているロボットは、全て生活支援ロボットとなっており、人と同じ空間で使用されることを目的としたものばかりです。

介護ロボット「PALRO」―高齢者の認知機能や身体機能の向上に寄与

画像引用元:https://www.fsi.co.jp/company/news/151218.html

特区内で開発されたロボットの中で特に注目したいのは、介護ロボット「PALRO」ではないでしょうか。
介護関連のロボティクス技術というと、介助者をパワーアシスト機能で手助けする外骨格型のパワードスーツなどに注目が集まりがちですが、PALROはそうした直接的な手助けをするロボットではありません

PALROは介護予防の分野を担当するロボットです。
小ぶりなボディながらも、滑らかで自然な動きと優秀な会話能力が搭載されています。PALROと会話をすることで、口腔機能向上と認知機能低下を予防し、レクリエーションの際にPALROと共に踊ることで運動器の機能向上を図ることができるのです。

実際にPALROを導入した高齢者福祉施設では、入居されているシニアの方のほとんどがPALROとの会話を楽しみにされています。
また閉じこもりがちだった方がレクリエーションの場に出席されるようになるなど、うつ傾向の改善が見られるようにまでなった方もおられるそうです。

その他災害に対応できるロボットも

画像引用元:http://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/product13.html

PALRO意外にも、さがみ発のロボットは数多く存在しています。
災害対応ロボット「アルバトロス」もさがみが産み出した成果の1つです。
アルバトロスは災害発生時に、人の立ち入りが困難な現場に分け入って情報収集をすることを目的として開発されました。

2017年5月には、藤沢市消防防災訓練センターにて行われた、藤沢市南消防署の高度救助隊の公開訓練に参加し、瓦礫救助訓練施設で瓦礫や水中の走行を行い、施設内に配置されている要救助者を模した人形を発見することに成功したそうです。
アルバトロスに搭載された機能を十全に生かすことができれば、実際の災害時にも一定の成果を挙げることは間違いないでしょう。

医療IoTが作り出す医療の未来とリスク

未来の医療を語る上で、最新のテクノロジーに関する話題を避けて通ることはできません。
ウェアラブルデバイス然り、クラウドコンピューティング然り、その商用利用が間近に迫っている5G通信規格然りです。
そうしたテクノロジーの中でも、最も注目されているものの1つと言えば、IoTを置いて他にはないでしょう。
この記事では、IoTの利活用がもたらす医療業界におけるメリットやそのリスク、世界的に見た医療IoT市場の動向についてご紹介いたします。

そもそもIoTとは何か?

医療業界におけるIoTの活用事例をご紹介する前に、「IoTとは何か?」についてご説明いたしましょう。
IoTとは、「Internet of Things」の略称で、日本語では「モノのインターネット」という呼称が一般的です。
かつてのインターネットは、コンピュータやサーバ機器がネットワークに接続することで、様々な情報の受発信が行われることで多様なサービスが展開されてきました。

しかし現代においては、スマートフォンやタブレット、テレビやレコーダー、デジタルカメラ、スマートスピーカーといったデジタル情報家電だけでなく、冷蔵庫や洗濯機、エアコン、照明といった生活家電もインターネットに接続されるようになったのです。
その結果、離れたところから自宅内の家電の状況を把握したり、スイッチのON・OFFをすることもできるようになりました。
今までインターネットに接続されていなかったモノをインターネットに接続し、新たな機能を付加することはIoTの代表例の1つと言えます。

しかしこれらはあくまでIoTの一例でしかありません。IoTの可能性はかなり幅広く、B2Cのサービス以上に、B2Bのサービスが普及を始めていることはご存知でしょうか。
例えば、生活インフラにおける自動検針サービスは、その代表的な活用例の1つと言えるでしょう。
水道やガスのメーターにLTE通信モデムを設置し、担当者が現場に赴くことなく検針を実施するサービスです。

他にも自動販売機にWiMAX通信モデムを設置することで、自動販売機毎の詳細な販売状況を把握したり、そのエリアに最適なデジタルサイネージを表示するといったことが可能になります。
これらは全て既に身近に存在しているIoTの一例です。
IoTは離れた位置にあるモノを操作したり、定期的に情報を発信させることで成り立つ、新時代の情報テクノロジーと言えるでしょう。

またモノ同士の通信であるM2M(Machine to Machine)を活用できるようになることも、IoTの大きな特徴の1つです。
これまでのインターネットを介したサービスでは、集約した情報を活用するために必ず人の手が介在していました。
集約したデータから、有意な情報を読み取り、次のアクションを起こすために、必ず人間の判断を必要としていたのです。

しかしIoTでは、予め定められたルールに則り、モノが自発的に判断し次のアクションを実施します。
例えば、先ほど例としてご紹介した自動販売機であれば、機械が故障した際に不具合を起こしている箇所を自動で確認し、不具合情報をサーバに送信。
その後、サーバ内で故障の情報を吟味し、必要な資材を自動で発注。
修理に向かう作業員の手配まで自動で行うことが可能になるのです。

こうした一連の流れの自動化こそ、IoTの真髄と言えるでしょう。
またこれらの機能を実現するためには、IoTと他のテクノロジーを併用することが一般的です。
ビッグデータやクラウドサービス、AIによる深層学習、ウェアラブルといったテクノロジーは、IoTと相性が良くより一層の普及が見込まれています。

IoTの登場により医療データが収集され国や地域の医療向上に繋がる

こうしたIoTの特性は、これまで取得することが難しかった様々な医療データを収集することを可能にしました。
例えば、患者に熱や加速度、心拍を計測するセンサーや、GPSを搭載したウェアラブルデバイスを装着してもらうことで、患者の体温や転倒・転落といった状態、脈拍や呼吸数、睡眠状態といった各種データを、日常生活を送りながら収集することが可能になります。
さらに収集したデータを電子カルテの情報と突き合わせて運用することで、患者が必要としている治療を的確に提案することができるようになるのです。

IoTは医療従事者の業務の効率化も可能にする

またIoTを利用して収集したデータを運用する際、深層学習を済ませたAIを活用すれば、さらに大きなメリットを享受することができます。
その中で最も大きなメリットを挙げるとするならば、医療従事者の業務効率の向上ではないでしょうか。
医師や看護師が、かなりの激務に耐えているということは、もはや言うまでもないことでしょう。

しかしどれほどの過重労働であったとしても、医療の現場で発生するミスは患者の命に関わる可能性があり、決して許されるものではありません。
しかしIoTを導入することで、患者の身体の状態を自動で取得することができ、転記ミスや投薬忘れといったヒューマンエラーを効果的に防止することができます。
また医師や看護師がセンサー付きのウェアラブルデバイスを装着し、その位置情報や業務遂行状況をリアルタイムで取得することができれば、導線の最適化による業務の省力化を図ることができるでしょう。

また常備されている薬品や持ち出し禁止の物品に対する、セキュリティを強化することも容易です。
施設内の全ての備品にNFCチップを貼付することで、施設内のどこに何があるのかを見える化することができます。
また物の使用状況をリアルタイムで確認することができるようになるので、医材料費や設備費を削減することにも繋がることでしょう。

セキュリティにおけるリスクが課題

医療の現場におけるIoTの導入は、メリットが目白押しです。
しかしこれらの利便性と引き換えに、セキュリティリスクを抱えてしまうということを忘れるわけにはいきません。
患者、医療従事者、院内のモノの状態や動きを全て取得したデータには、非常に大きな価値があります。
悪意のある第三者が、その価値あるデータを狙って院内ネットワークへの侵入を図るかもしれません。

またそうしたハッキング被害に遭わなくとも、ヒューマンエラーによるデータの漏洩が発生したり、予期せぬデータの書き換えが発生する可能性もあります。
これらのリスクを極力排除するためには、セキュリティに対する投資を惜しむことはできません。
またデータ取得に使用しているウェアラブルデバイスに搭載されている、センサー類の状態を管理することも重要です。

もしセンサーに破損が発生した場合、誤ったデータが蓄積され続けてしまいます。
ミスの許されない医療の現場では、命の危機に関わる重大な事故に発展することもあるからです。

世界における医療IoT市場は拡大の見込み

現在医療業界におけるIoT市場は拡大の一途を続けており、その市場規模は2025年に1,658億円に到達すると見込まれています。
少子高齢化の影響で、医療に関する莫大な需要増大と、深刻な医療資源の枯渇が叫ばれる日本において、IoTの普及は医療業界における救世主となるやもしれません。
IoTは行き詰まる日本の医療問題の大部分を解決する、有効な手段となるでしょう。

近未来の医療を紐解く―医療におけるAIとビッグデータ

AIという言葉はご存知でしょうか。昔はSF小説に出てくる程度の夢物語のような現実感のないものでしたが、近年急速に進むテクノロジーの発展に伴い、俄かに現実味を帯びてまいりました。
AIは既に様々なシーンで活用されており、我々も知らず知らずの内にAIを活用して日常生活を送っているのです。

例えば最新スマートフォンのほとんどの機種には、既にAIが搭載されています。
Apple社のiPhoneに搭載されているSiriや、人気のスマートスピーカーである、AmazonのEchoシリーズに搭載されているAlexaなどもAIです。
またどこの家庭にも存在する、Windowsパソコンも、CortanaというAIを搭載し、利便性を高めています。

こうしたAIの普及は、普段の生活を便利なものにするだけのものではありません。
医療の現場にも、非常に大きなメリットをもたらしてくれるものなのです。

医療AIの登場で患者の治療が4倍早くなると言われている

医療用AIの能力は非常に高く、うまく活用することで患者の治療計画を4倍早めることが可能と言われています。
2014年に米Google社に買収された、英Deep Mind Technologies社とロンドン大学が2016年に提唱した、がん治療にAIを導入する計画は記憶にも新しいのではないでしょうか。
放射線を用いて行われる頭頸部がんの治療は非常に難易度が高く、がん細胞周辺組織の状況を収集した画像やデータから適切に把握し、健康な組織に悪影響を及ぼさないよう、放射線を当てる部位や量、方向や回数を綿密に検討する必要があります。

この作業は非常に難易度が高く、現在用いられている技術では、治療計画の立案に平均4時間が必要です。
しかしこの計画立案にAIを利用すれば、過去700の事例を多角的に分析し、適切な治療計画の立案にかかる時間を、1時間に短縮できたと言います。
高水準なデータを集め、AIに深層学習をさせることさえできれば、あらゆる疾病に対し、同様の効果が見込めるということです。

ビッグデータ分析を行い予防措置を自動で行う

また医療計画だけでなく、未来の健康状態を予測する研究も進んでいます。
2017年8月、カナダのマギル大学から、医療用AIを活用することで、発症の2年前に認知症を予測するアルゴリズムを開発したと報告されたことはご存知でしょうか。
ビッグデータによる深層学習を経たAIは、過去の事例から未来の患者の健康状態を予測することができるというのです。

研究チームの報告によれば、その精度は何と84%。
医療用AIに関する研究が本格化してからの期間が浅いということを考えると、驚異的な成果と言って良いでしょう。
近い将来、医療業界におけるAIの利活用はますます進むことが予想されます。

テクノロジーと医療デバイス―医療用ウェアラブルデバイスについて

近年俄かに注目を集めている機器と言えば、ウェアラブルデバイスをおいて他にはないでしょう。
装着しているだけで、心拍数等を計測・記録することができる新時代のデバイスです。
既にウェルネス分野では一定の市民権を得ており、より一層の発展と普及が見込まれています。
こうしたウェアラブルデバイスが巻き起こす波は医療業界にも波及し始めており、その可能性に大きな期待が寄せられているのです。

医療分野で期待が上がるウェアラブルデバイスとは?

医療分野での研究例をご紹介する前に、まずはウェアラブルデバイスとは何か、という点についてご説明しておきましょう。
ウェアラブルデバイスとは、装着型のコンピュータ機器です。
有名なウェルネス向けのウェアラブルデバイスの例を挙げるとするなら、Apple Watchや、Google社が提供しているandroid wearを搭載したスマートウォッチが代表格と言えるでしょう。

先ほどご紹介したデバイスは時計型の機器ですが、メガネ型のものや洋服型のものなど、さまざまなバリエーションのウェアラブルデバイスが研究されています。
ウェアラブルデバイスには、複数のセンサーと通信用のチップ、それらを管制するCPUが搭載されており、心拍数や活動量、睡眠状況といったデータを取得しているのです。
取得されたデータは、スマートフォンや外部のデータサーバに送信され、装着者の健康状態を測定しています。

患者の心拍数や血圧などを遠隔モニタリング可能

ウェアラブルデバイスの可能性は非常に大きく、医療分野においても大変有用であるため、世界的にも大きな期待がかけられている分野です。
これまでは患者の健康状態をモニタリングするためには、大掛かりな計測機器を使用する必要がありました。
ウェアラブルデバイスの研究が進めば、腕輪型の機器や軽量なヘッドセット程度のサイズの機器を装着するだけで、患者のデータを測定することができるようになるでしょう。

また通信機能を持たせておけば、日常生活をお送っている最中の、患者の生きたライフデータを遠隔でモニタリングすることも可能です。
こうしたテクノロジーが進歩すれば、患者に負担をかけることなく、診察中には再現しなかった患者の症状をリアルタイムで計測することができるようになります。

診療所などで浸透―クラウド電子カルテを導入するメリット

当初はその高いな導入コストが原因で、電子カルテの普及は遅々として進みませんでした。
その高コストの原因は、データベース用の高額な専用サーバーPCや、電子カルテの閲覧専用端末の設置が必須であったためです。
しかし最近は、そうしたコストを増大させる種々の原因を排除し、低コストでの導入・運用を可能とした、新しい世代の電子カルテが登場しました。
それがこの記事でご紹介する、「クラウド電子カルテ」です。

導入コストが少ない「クラウド電子カルテ」とは

クラウド電子カルテは、旧来の電子カルテと比較して、導入コストが大幅に抑えられています。
冒頭でも記載した通り、旧来の電子カルテは、そのシステムを稼働させるために必要な、データベースサーバーや電子カルテの閲覧専用端末を設置する必要があったのです。
それらのハードウェアの導入コストは大変高く、ある程度の規模の診療所が導入できるようなものではありませんでした。

しかしクラウド電子カルテなら、そうしたコスト増の根本原因である、高額なハードウェアを設置する必要はありません。
高いセキュリティ性が担保された、専門業者が管理するサーバーを契約し、電子カルテ閲覧に必要なアプリケーションを購入するだけで、電子カルテの利用を開始できるのです。
また電子カルテ閲覧用に新規で端末を調達する場合でも、市販されているタブレット端末を購入するだけで良いので、余計なコストが発生することはありません。

また副次的なメリットとして、人件費の圧縮にも繋がります。
旧来の電子カルテを適切に運用するためには、システム運用に詳しい専門の技術者を複数名雇用する必要があったのですが、クラウド電子カルテであれば、既に存在している院内のネットワーク担当者が1人いれば運用を開始することができるのです。

コストだけでなく導入の作業も簡単

またコストだけでなく、導入の作業が簡単なこともクラウド電子カルテの魅力と言えるでしょう。
電子カルテのデータを格納するサーバーは、専門の業者が設定・管理しているので、導入初期にありがちな複雑な作業は不要です。
必要なものは、業者が提示する要件を満たした、インターネットに接続できるデジタルデバイスだけですので、WindowsパソコンやiPad、android端末があれば電子カルテの利用を開始することができます。

またクラウド電子カルテの運用に必要な知識や技術力も低く、電子カルテ専門の技術者は不要です。
今流行りの、クラウドストレージのようなクラウド技術を利用したシステムを利用したことのある技術者なら、誰でも運用することができるレベルと言って差し支えありません。

院外など場所を選ばず利用できるメリット

また旧来の電子カルテでも、院外から電子カルテの情報にアクセスすることは可能でしたが、それを実現するためには、それなり大きなコストと、仮想的な専用回線を構築し運用するための技術力が必要でした。
しかしクラウド電子カルテは、そうしたデメリットは存在せず、モバイル端末を用意し、一般的なデータ通信利用料さえ支払えば、誰でも簡単に電子カルテの情報を閲覧することができるのようになったのです。

その結果、場所を選ばずいつでも必要な情報にアクセスできる、という本来電子カルテに求められていた機能を、十全に利用することができるようになりました。
これは診療所クラスの規模感の医療施設にとっては見逃せない、大変大きなメリットと言って良いでしょう。