診療所などで浸透―クラウド電子カルテを導入するメリット

当初はその高いな導入コストが原因で、電子カルテの普及は遅々として進みませんでした。
その高コストの原因は、データベース用の高額な専用サーバーPCや、電子カルテの閲覧専用端末の設置が必須であったためです。
しかし最近は、そうしたコストを増大させる種々の原因を排除し、低コストでの導入・運用を可能とした、新しい世代の電子カルテが登場しました。
それがこの記事でご紹介する、「クラウド電子カルテ」です。

導入コストが少ない「クラウド電子カルテ」とは

クラウド電子カルテは、旧来の電子カルテと比較して、導入コストが大幅に抑えられています。
冒頭でも記載した通り、旧来の電子カルテは、そのシステムを稼働させるために必要な、データベースサーバーや電子カルテの閲覧専用端末を設置する必要があったのです。
それらのハードウェアの導入コストは大変高く、ある程度の規模の診療所が導入できるようなものではありませんでした。

しかしクラウド電子カルテなら、そうしたコスト増の根本原因である、高額なハードウェアを設置する必要はありません。
高いセキュリティ性が担保された、専門業者が管理するサーバーを契約し、電子カルテ閲覧に必要なアプリケーションを購入するだけで、電子カルテの利用を開始できるのです。
また電子カルテ閲覧用に新規で端末を調達する場合でも、市販されているタブレット端末を購入するだけで良いので、余計なコストが発生することはありません。

また副次的なメリットとして、人件費の圧縮にも繋がります。
旧来の電子カルテを適切に運用するためには、システム運用に詳しい専門の技術者を複数名雇用する必要があったのですが、クラウド電子カルテであれば、既に存在している院内のネットワーク担当者が1人いれば運用を開始することができるのです。

コストだけでなく導入の作業も簡単

またコストだけでなく、導入の作業が簡単なこともクラウド電子カルテの魅力と言えるでしょう。
電子カルテのデータを格納するサーバーは、専門の業者が設定・管理しているので、導入初期にありがちな複雑な作業は不要です。
必要なものは、業者が提示する要件を満たした、インターネットに接続できるデジタルデバイスだけですので、WindowsパソコンやiPad、android端末があれば電子カルテの利用を開始することができます。

またクラウド電子カルテの運用に必要な知識や技術力も低く、電子カルテ専門の技術者は不要です。
今流行りの、クラウドストレージのようなクラウド技術を利用したシステムを利用したことのある技術者なら、誰でも運用することができるレベルと言って差し支えありません。

院外など場所を選ばず利用できるメリット

また旧来の電子カルテでも、院外から電子カルテの情報にアクセスすることは可能でしたが、それを実現するためには、それなり大きなコストと、仮想的な専用回線を構築し運用するための技術力が必要でした。
しかしクラウド電子カルテは、そうしたデメリットは存在せず、モバイル端末を用意し、一般的なデータ通信利用料さえ支払えば、誰でも簡単に電子カルテの情報を閲覧することができるのようになったのです。

その結果、場所を選ばずいつでも必要な情報にアクセスできる、という本来電子カルテに求められていた機能を、十全に利用することができるようになりました。
これは診療所クラスの規模感の医療施設にとっては見逃せない、大変大きなメリットと言って良いでしょう。