神奈川の介護医療にロボットが寄与―「さがみロボット産業特区」とは

少子高齢化が進む日本では、現在介護医療の現場が崩壊の危機に瀕しています。
今後爆発的に増加する需要に対し、それらに対応できるだけの医療資源や労働力を調達することは非常に困難です。
そうした現場を救う救世主として、ロボット技術の発達が期待されています。

そして、現在さがみロボット産業特区では、「いのちを守る」ための生活支援ロボットの実用化・普及に関する取り組みが進んでいるのです。
この記事では、日本が誇る先端技術が集結する相模における、ロボット産業の現在と介護医療へのアプローチについてご紹介いたします。

神奈川県の「さがみロボット産業特区」とは

画像引用元:http://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/

まず「さがみロボット産業特区」についてご説明いたしましょう。
現在特区の対象地域となっているのは、神奈川県下の12の市区町村です。
相模原市を中心に、平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・厚木市・大和市・伊勢原市・海老名市・座間市・綾瀬市・寒川町・愛川町が特区として指定されています。

特区内では、ロボットの開発・実証を促進するため、様々な取り組みが行われているのです。
規制緩和を国に働きかけることで、他の地域では行えないような実証実験の場を提供したり、開発支援として補助金の交付や、特区内での企業立地の支援として、不動産取得税の軽減や低金利融資といった支援制度が用意されています。
特区内で研究・開発されているロボットは、全て生活支援ロボットとなっており、人と同じ空間で使用されることを目的としたものばかりです。

介護ロボット「PALRO」―高齢者の認知機能や身体機能の向上に寄与

画像引用元:https://www.fsi.co.jp/company/news/151218.html

特区内で開発されたロボットの中で特に注目したいのは、介護ロボット「PALRO」ではないでしょうか。
介護関連のロボティクス技術というと、介助者をパワーアシスト機能で手助けする外骨格型のパワードスーツなどに注目が集まりがちですが、PALROはそうした直接的な手助けをするロボットではありません

PALROは介護予防の分野を担当するロボットです。
小ぶりなボディながらも、滑らかで自然な動きと優秀な会話能力が搭載されています。PALROと会話をすることで、口腔機能向上と認知機能低下を予防し、レクリエーションの際にPALROと共に踊ることで運動器の機能向上を図ることができるのです。

実際にPALROを導入した高齢者福祉施設では、入居されているシニアの方のほとんどがPALROとの会話を楽しみにされています。
また閉じこもりがちだった方がレクリエーションの場に出席されるようになるなど、うつ傾向の改善が見られるようにまでなった方もおられるそうです。

その他災害に対応できるロボットも

画像引用元:http://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/product13.html

PALRO意外にも、さがみ発のロボットは数多く存在しています。
災害対応ロボット「アルバトロス」もさがみが産み出した成果の1つです。
アルバトロスは災害発生時に、人の立ち入りが困難な現場に分け入って情報収集をすることを目的として開発されました。

2017年5月には、藤沢市消防防災訓練センターにて行われた、藤沢市南消防署の高度救助隊の公開訓練に参加し、瓦礫救助訓練施設で瓦礫や水中の走行を行い、施設内に配置されている要救助者を模した人形を発見することに成功したそうです。
アルバトロスに搭載された機能を十全に生かすことができれば、実際の災害時にも一定の成果を挙げることは間違いないでしょう。